りんどうの里美術会

りんどうの里美術会について りんどうの里美術会についてのご紹介です。会の事始めから歩みなど

りんどうの里美術展事始めの記―その1


りんどうの里美術会の展示会は平成25年第28回国民文化祭山梨県開催を機に上野原市の文化を発信しようと上野原市文化協会と上野原の文化を甦えらせる市民の会との共同によって特別企画美術工芸展として計画されました。

特別企画美術工芸展は、当初、上野原市内に隠れた美術工芸品を発掘し展示することを考えたのですが、それが難しいことが判り急遽市内に在住あるいは市出身の優れた作家の作品を展示することに変更したのです。この方針変更はその後素晴らしい成果をもたらすことになりました。正に「禍い転じて福となす」の格言を地で行くような結果を生んだのです。

特に上野原市観光大使に就任された洋画家の降矢組人先生及び版画家の河内成幸先生が快く作品を提供されたことは展示会を一気に盛り上げたのです。また、故人の作品も加えることにしたことによって展示作品の巾が広がり今まで見ることも知ることも出来なかった絵画や書に出会える機会となりました。

更に、企画当初では考えていなかった工芸の分野も加えることになり、スイスやトルコからこの上野原の地に移住して陶器の製作に取り組んでおられる方や製作した陶器やガラス工芸品を県外で展示活動をしている工芸作家が参加して会場には華やかな花が咲いたようになりました。

展示会場については美術工芸展と写真コンテスト展を同時に開催する計画でしたので本庁舎展示室を二つ希望していましたが、展示室3のみになり困ったのですが教育委員会の取り計らいによって、もみじホール会議室1が同期間中に使用出来ることになり解決することができました。開催期間は文化祭を挟んで2回に分けウイークデーのみでしたが、土曜、日曜も開催して欲しいとの要望がでました。

りんどうの里美術展事始めの記―その2


さて、開催に至るまでの経過をまとめておきたいと思います。

第1回特別企画美術工芸展実行委員会を編成
上野原市文化協会  長坂幸夫 菊地和夫 長田勇一 秦伸一郎 
上野原市の文化を甦らせる市民の会 佐藤 満 酒井章雄 中村道子 山下久子  村上信行 長谷川孟
学識経験者    大神田一男

この時期には「上野原の文化を甦らせる市民の会」はすでに活動を始めていました。ただ、中村道子氏、山下久子氏は文化協会所属になります。大神田一男氏はこの美術展を企画する際に上野原市文化協会の美術部上彩会の代表の大神田礼子氏に協力を依頼した時に同席をお願いした関係で学識経験者として加わってもらったのです。その後大神田礼子氏は絵の制作に専念するには役を務める余裕はないとして辞退されました。

かくして、美術展を実際に実現するための推進メンバーは写真クラブの菊地、長田、秦、山口の4氏を除く8名になりました。まず基本方針として絵と書の2分野において上野原在住で活躍している作家を探ることから始めることになりました。時はすでに7月中旬に入っていました。状況は全くの手探りでした。とにかく一度顔を合わせて情報を集めることにして、第1回の実行委員会を庁舎入り口脇のテーブルで行いました。

出品を依頼する候補としての私の知識は、絵では観光大使の降矢組人、河内成幸、大神田礼子、細田早苗、水墨画 和智紀子、白井由夫 書では水越 久、山下久子位しか持っていないという状況でしたが、顔を合わせて見ると次々と私の知らない名前があげられたのでした。そこで各人が美術展開催の趣旨を説明して参加を求め、その結果を次の会に持ちよることにしました。この会合で中村道子氏から陶芸も入れたらどうかの提案があって絵画、書、工芸の3分野とすることになりました。また、募集の際の要項を作成しました。

第40回上野原市民文化祭特別企画美術工芸展実施要項

出品の基準
1 原則として山梨県レベル以上の展示会において入選入賞した作家の作品とする
2 作品の制作年度は問わない。故人の作品も対象とする
3 上記以外のものでも実行委員会が適当とみとめるものとする
4 絵画、書の出品点数は1人1点とする
5 書画作品の型は額装または軸装とする
6 額装の場合は原則として1人1点までとする

りんどうの里美術展事始めの記―その3


第1回上野原市特別企画美術工芸展

主催 上野原市文化協会
共催 上野原の文化を甦らせる市民の会
企画内容 絵画、書を中心として彫刻、陶芸、ガラス工芸
展示会場 本庁舎展示室3
展示期間 平成25年10月28日~31日及び11月5日~8日

第1回美術工芸展を終えて

こうして33人の美術工芸家が展示室3に集合したのですが、私の知っている方は10人に満たず殆どの方は初対面でした。実行委員のアンテナによって応募してくれたのです。ただ特別企画展の趣旨目的が正確に伝わらず人によってはその捉え方は様々でした。しかし、展示会を見た多くの方々はこんなにも優れた芸術家が上野原にいることに驚いたようでした。上野原市長はじめ市の職員も認識を新たにしたようで、以後、展示会を続けて行く中で開催に協力的なっていったことでも解ります。

日本を代表する作家としては、版画家の河内成幸氏、洋画の古家組人氏、飯田四郎氏、女流画家の髙橋朝氏、大神田礼子氏、デジタルアートの奥山華名氏、俳画の古家平々氏、書家では水越幽峰氏、ガラス工芸の尾崎稔成氏が挙げられて展示内容の質の高いことが評価されたのです。

平成28年、第4回開催の折に特別企画美術工芸展はその名称を「リンドウの里美術展」とするとともに年1回の開催を6月と10月の年2回開催することになったのです。展示室も展示室2、3の2室で行えるようになったのです。